燃料サーチャージとは
燃油サーチャージ(Fuel surcharge)は、航空会社や運送会社が燃料価格の上昇に伴い、輸送にかかる燃料費用を補填するために徴収する追加料金のことを指します。
これは、航空運賃や運送料金とは別に徴収され、燃料価格の変動に応じて定期的に見直されるています。
徴収額は、航空会社や運送会社によって異なり、時期により大きな変動があることがあります。
ANAでは、「燃油特別付加運賃」として徴収されていて、航空券を取得する際に空港施設使用料や税金と合わせて支払う必要があります。
ANAのホームページには次のように書かれています。
ANAグループ航空会社(ANA・エアージャパン)では、「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」および「航空保険特別料金」を設定し、航空燃油価格および航空保険料の高騰や、航空保安強化に関わる費用増の一部をお客様にご負担いただいております。 なお、以下の燃油特別付加運賃・航空保険特別料金は、出発地が日本または目的地が日本の旅程のANA便(他社運航のコードシェア便も対象)に適用される運賃・料金です。
燃油サーチャージの決まり方
燃油サーチャージはANAでもJALでも価格決定プロセスは同じです。
価格決定の要素
価格改定時期と算出対象期間
燃油サーチャージは2か月ごとに見直しが行われます。
例)4月あるいは5月に発券するチケットは、直近の12月~1月の2か月間のシンガポールケロシン市場価格と為替レートを掛け合わせたものから算出し、2月中旬か下旬に発表されます。
発券日 | 価格発表時期 | 算出対象期間(※1) |
---|---|---|
4月・5月 | 2月中~下旬 | 12月~1月の平均 |
6月・7月 | 4月中~下旬 | 2月~3月の平均 |
8月・9月 | 6月中~下旬 | 4月~5月の平均 |
10月・11月 | 8月中~下旬 | 6月~7月の平均 |
12月・1月 | 10月中~下旬 | 8月~9月の平均 |
2月・3月 | 12月中~下旬 | 10月~11月の平均 |
(※1:対象期間(2カ月)のシンガポールケロシン市場価格と為替レートの平均を掛け合わせた価格)
燃油サーチャージの推移
2121年10月からの燃油サーチャージ推移をまとめました。
上記は片道当たりの料金なので、往復ではこの2倍になります。
ANA燃油サーチャージの推移
発券日 | 欧州 北米 中東 オセアニア | ハワイ インド インドネシア | タイ シンガポール マレーシア ミャンマー カンボジア | ベトナム グアム フィリピン | 東アジア | 韓国 ロシア |
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2021.10~ | 11,600円 | 6,600円 | 5,000円 | 3,300円 | 2,800円 | 600円 |
2022.2~ | 19,300円 | 12,100円 | 9,400円 | 5,500円 | 5,000円 | 1,700円 |
2022.4~ | 19,900円 | 12,500円 | 9,700円 | 5,700円 | 5,200円 | 1,800円 |
2022.6~ | 37,400円 | 23,800円 | 20,400円 | 12,500円 | 11,400円 | 4,100円 |
2022.8~ | 49,000円 | 31,100円 | 25,800円 | 16,000円 | 15,100円 | 5,600円 |
2022.10~ | 58,000円 | 36,700円 | 30,000円 | 18,700円 | 18,000円 | 6,700円 |
2022.12~ | 49,000円 | 31,100円 | 25,800円 | 16,000円 | 15,100円 | 5,600円 |
2023.2~ | 49,000円 | 31,100円 | 25,800円 | 16,000円 | 15,100円 | 5,600円 |
2023.4~ | 33,000円 | 21,000円 | 18,000円 | 11,000円 | 10,000円 | 3,500円 |
2023.6~ | 29,000円 | 18,500円 | 15,500円 | 9,500円 | 8,500円 | 3,000円 |
2023.8~ | 25,000円 | 16,000円 | 13,000円 | 8,000円 | 7,000円 | 2,500円 |
2023.10~ | 29,000円 | 18,500円 | 15,500円 | 9,500円 | 8,500円 | 3,000円 |
2023.12~ | 41,000円 | 26,500円 | 21,500円 | 14,500円 | 11,500円 | 5,000円 |
2024.2~ | 38,000円 | 24,500円 | 20,000円 | 13,500円 | 11,000円 | 4,500円 |
2024.4~ | 33,000円 | 21,000円 | 18,000円 | 11,000円 | 10,000円 | 3,500円 |
2024.6~ | 35,000円 | 22,500円 | 18,500円 | 12,000円 | 10,500円 | 4,000円 |
2024.10~ | 35,000円 | 22,500円 | 18,500円 | 12,000円 | 10,500円 | 4,000円 |
2024.12~(最新) | 25,000円 | 16,000円 | 13,000円 | 8,000円 | 7,000円 | 2,500円 |
JAL燃油サーチャージの推移
発券日 | 欧州 北米 中東 オセアニア | ハワイ インド インドネシア スリランカ | タイ シンガポール マレーシア ミャンマー 他 | グアム パラオ フィリピン 他 | 中国 香港 マカオ 台湾 | 韓国 極東 ロシア |
---|---|---|---|---|---|---|
2021.10~ | 11,600円 | 6,600円 | 5,000円 | 3,300円 | 2,800円 | 600円 |
2022.2~ | 17,500円 | 11,000円 | 8,500円 | 5,000円 | 4,500円 | 1,500円 |
2022.4~ | 20,200円 | 12,700円 | 9,800円 | 5,800円 | 5,200円 | 1,800円 |
2022.6~ | 36,800円 | 23,600円 | 19,600円 | 12,700円 | 9,900円 | 4,100円 |
2022.8~ | 47,000円 | 30,500円 | 24,700円 | 17,800円 | 11,400円 | 5,900円 |
2022.10~ | 57,200円 | 37,400円 | 29,800円 | 22,900円 | 12,900円 | 7,700円 |
2022.12~ | 47,000円 | 30,500円 | 24,700円 | 17,800円 | 11,400円 | 5,900円 |
2023.2~ | 47,000円 | 30,500円 | 24,700円 | 17,800円 | 11,400円 | 5,900円 |
2023.4~ | 36,800円 | 23,600円 | 19,600円 | 12,700円 | 8,800円 | 4,100円 |
2023.6~ | 33,400円 | 21,300円 | 17,900円 | 11,000円 | 8,400円 | 3,500円 |
2023.8~ | 28,800円 | 18,400円 | 15,000円 | 9,200円 | 7,100円 | 2,900円 |
2023.10~ | 33,400円 | 21,300円 | 17,900円 | 11,000円 | 8,400円 | 3,500円 |
2023.12~ | 47,000円 | 30,500円 | 24,700円 | 17,800円 | 11,100円 | 5,900円 |
2024.2~ | 43,600円 | 28,200円 | 23,000円 | 16,100円 | 10,300円 | 5,300円 |
2024.4~ | 33,000円 | 21,000円 | 18,000円 | 11,000円 | 8,500円 | 3,500円 |
2024.6~ | 35,000円 | 22,500円 | 18,500円 | 12,000円 | 9,200円 | 4,000円 |
2024.10~ | 35,000円 | 22,500円 | 18,500円 | 12,000円 | 9,200円 | 4,000円 |
2024.12~(最新) | 25,000円 | 16,000円 | 13,000円 | 8,000円 | 6,200円 | 2,500円 |
最新の燃油サーチャージ
このように推移を見てみると、やはりロシアーウクライナ問題があり石油価格が高騰し、さらには円安のダブルパンチで燃料サーチャージも暴騰してきたことが分かります。
2023年6月に改訂される燃油サーチャージが発表されましたが、ピーク2022年10月の料金から比べると約半額まで下がってきましたが再び上昇してきています、、、
と思っていたところ、2023年10月からの燃油サーチャージは値上がりになってしまいました。
最近の原油価格の高騰などを考えると仕方ないかと思いますが残念です。。
燃油サーチャージを無料にするには
ANAとJALで海外航空券を発券した場合、通常の運賃であろうとマイルを使った特典航空券であろうと、上記の燃油サーチャージが徴収されてしまいます。
ハワイに往復すると燃油サーチャージだけで4万円もかかってしまうのです。
各航空会社のマイルを使って海外の航空会社の特典航空券を発券することで、燃油サーチャージを無料にすることができますので紹介します。
ANAのマイルを使った燃油サーチャージ無料特典航空券
ANAのマイルを使うと、次の航空会社の燃油サーチャージ無料の特典航空券を発行することができます。
・ユナイテッド航空
・シンガポール航空
・エアカナダ
・LOTポーランド航空
JALのマイルを使った燃油サーチャージ無料特典航空券
JALでは次の通りです。
・アメリカン航空
・マレーシア航空
・エールフランス
・ハワイアン航空
・カタール航空
・スリランカ航空
ユナイテッド航空航空のマイルを使うとANA便が燃油サーチャージ無料に
上記のようにANAのマイルを使って燃油サーチャージを無料にしようとすると、提携している海外の航空会社を利用するしかないのですが、やはり乗りなれた日本の航空会社がいいという方もいらっしゃると思います。
ユナイテッド航空のマイレージ(マイル)を貯めておくと、それを使ってANA便の特典航空券も発券できるのです。しかもその際、燃料サーチャージが無料となりますのでうまく活用してみてください。
ユナイテッド航空のマイレージ(マイル)を貯めるにはユナイテッド航空の飛行機を乗る必要があるのでは、、、
と心配される方もいらっしゃると思いますが、その必要はありません。
以下の記事を参考にしてみてください。
実際に燃油サーチャージ無料の特典航空券を発券
今年の12月に開催されるホノルルマラソン2023に参加するために、ハワイの往復特典航空券をJALマイルを使って発券しました。
ハワイアン航空特典航空券(JALマイルで発券)
往路(東京⇒ホノルル)
復路(ホノルル⇒(コナ経由)⇒東京)
復路はホノルルから東京の直行便が空いておらず、ハワイ島のコナ経由となりました。ハワイ島を経由しても必要マイル数は変わりありませんのでこれで予約することにします。
必要マイル・料金
使ったマイル(JALのマイル) | 45,000マイル |
支払ったお金(燃料サーチャージ、税金等) | 6,730円 |
(参考)ANAのマイルを使ってANA便も取ったのですが、、
実は、ホノルルマラソン期間中は特典航空券がなかなか取れない時期でもあるので、発券開始時期が早いANAの便を先に発券していたんです。(あとでよい便が取れたらキャンセルする覚悟で、、)
その際に支払ったマイルとお金は次の通りです。
使ったマイル(ANAのマイル) | 40,000マイル |
支払ったお金(燃料サーチャージ、税金等) | 75,170円 |
このとおり、ハワイアン航空の特典航空券の場合、ANA特典航空券に比べ5,000マイル多く必要ですが、燃料サーチャージが不要なため約7万円も安く済むのです。
このANA便はタイミングを見てキャンセルを考えていますが、燃油サーチャージが下がってきているのでぎりぎりまで保有しておこうと思っています。
既に発券している特典航空券の燃油サーチャージを安くする方法も記事にしていますので参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。燃油サーチャージについては高騰のピークは過ぎつつありますが、まだまだ非常に高い状況です。少しでもお得に海外へ行くためのご参考になればと思います。
- 海外の航空会社を使うと燃料サーチャージが不要なところもある
- ANAやJALのマイルを使って燃料サーチャージが不要な航空会社の特典航空券を発券できる
- ユナイテッド航空など燃料サーチャージが不要な航空会社のマイレージを貯めるのも有効
- マリオットボンボイに加入すれば、海外の航空会社に乗らずともマイレージが貯まる